この論文をさがす
抄録
手術後臀部に浸潤を触れる紅斑や潰瘍を形成した症例を経験し,その皮疹の形態等より単なる褥瘡とは考えにくい症例を含んでいるため,手術後の臀部皮膚障害について症例を集め臨床研究を行った.1995年6月より1997年5月の2年間に渡り,当院中央手術室で行ったすべての手術患者を対象にした.全手術件数の0.26%に当たる18例に紅斑を認めた.原因の一つとして電気メスを考え対策を講じたところ,症例は著明に減少した.最近用いられているフローティングタイプの電気メスでは,一般的には体内から電極板以外に電流は流れないとされているが,フローティングタイプでも古い機械ではフローティングの効率は落ち,漏れ電流が存在している.この漏れ電流が,臀部のように,消毒液や汗がたまりやすく湿潤した部位から,手術台を経由して電気メス本体に還流するために,臀部に障害を生じるのではないかと考えた.
収録刊行物
-
- 日本皮膚科学会雑誌
-
日本皮膚科学会雑誌 108 (13), 1863-, 1998
公益社団法人 日本皮膚科学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205739126272
-
- NII論文ID
- 130004681077
- 10007731335
-
- NII書誌ID
- AN00196602
-
- ISSN
- 13468146
- 0021499X
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可