高齢者におけるインフルエンザワクチンの抗体産生能の検討

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タイトル別名
  • Antibody Response of Inactivated Influenza Vaccine in the Elderly
  • コウレイシャ ニ オケル インフルエンザ ワクチン ノ コウタイ サンセイノウ

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抄録

高齢者のインフルエンザワクチンによる抗体産生能を調べるために成人接種例と比較し検討を行った.<BR>対象は名古屋市厚生院の特別養護老人ホームに入所中の高齢者31名 (男性11名, 女性20名, 平均年齢82.2歳) および健康成人23名 (女性23名, 平均年齢40.7歳) である. 方法は1995年度市販の不活化ワクチンを用い, 1995年10月下旬から12月上旬にかけて0.5mlを4週間間隔で2回皮下接種した. 血清抗体価は接種前, 2回目接種2週間後, 3カ月後でHI抗体価を測定した.<BR>高齢者でのHI抗体価の4倍以上の上昇率は, Aソ連型 (H1N1) 93.5%, A香港型 (H3N2) 100%, B型74.2%で, 成人例と比べ有意差はなく, 高齢者においてもワクチン接種による抗体産生能は良好であった. また128倍以上の抗体保有率もワクチン接種により著明に増加し, 接種3カ月後まで持続しており, 高齢者においてインフルエンザワクチン接種により, 感染防御が期待できることが明らかになった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 72 (4), 358-364, 1998

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (15)*注記

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