前立腺肥大症に対する経尿道バルーンレーザー高温度治療(TUBAL-T)の臨床経験

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  • Clinical Experience of Transurethral Balloon Laser Thermotherapy for the Benign Prostatic Hypertrophy Patients

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抄録

20例の前立腺肥大症を対象に経尿道バルーンレーザー高温度治療 (TUBAL-T) を行った。治療条件は, 原則として腰椎麻酔, Nd: YAG laser出力は30-40ワットで, 温度設定は尿道粘膜温度40℃以下, 直腸粘膜温度42℃以下であった。治療時聞は直腸粘膜温度が40℃に達してから40分間であった。対象の平均年齢は66.3歳で, 前立腺体積は平均31.3cc, I-PSS (international prostatic symptom score) は平均16.9ポイント, QOLは平均3.9ポイントであった。観察期間は3カ月であった。検討項目は, 組織内温度, 前立腺体積, 前立腺特異抗原 (PSA), LPSSおよび副作用であった。組織内温度は, 熱電対をエコー下に経会陰的に前立腺に挿入し測定した。<BR>約5mmの深さの組織内温度は, 40ワットによる治療では, 治療中45-50℃に保たれた。PSAは前値平均3.7ng/mlで治療1日後に平均74.0ng/mlと有意に上昇したが4週後には平均4.7ng/mlとなった。前立腺体積は治療1週後に平均42.0ccと有意に増加し, 12週後に平均33.6ccとなった。I-PSSは4週後に平均12.5ポイントと有意に減少し, 12週後に平均9.3ポイントと更に有意に低下した。QOLは4週後に平均2.8ポイントと有意に低下し,12週後は平均2.5ポイントと更に有意に低下した。副作用は一過性の尿閉3例およびプローブ挿入に伴う血尿2例であった。<BR>TUBAL-Tは, 安全な治療であり, 自覚症状の改善をもたらすことが示唆された。

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