生薬および関連代謝調節薬

書誌事項

タイトル別名
  • Medicinal plant and its related metabolic modulators.
  • ショウヤク オヨビ カンレン タイシャ チョウセツヤク

この論文をさがす

抄録

肥満症だけでなく, 単純肥満も含めた抗肥満をめざす創薬について考察した. 脂肪細胞における脂肪の合成が分解を上回ることによって, 脂肪の蓄積が進み, 肥満になることに基づいて, 脂肪合成を低下させる機能物質を探索することにした. 脂肪合成には, グルコース経路とリポタンパク経路があるが, 脂肪細胞へのグルコースの取り込みは, インスリンによってコントロールされているのに対し, リポタンパク由来の脂肪酸の取り込みは, ホルモンの制御を受けない. また, リポタンパクの中で, 食事を通じてコントロールできるのはカイロミクロンである. そこで, 食事中の脂肪の腸管吸収を阻害することにより, カイロミクロンを低下させ, 肥満を予防するという戦略を立てたのである. その結果, 食事中の脂肪の膵リパーゼによる分解を阻害する茶サポニン, キトサン, コンドロイチン硫酸, 脂肪酸の吸収も阻害するコンドロイチン硫酸, ベーターモノグリセリドの吸収を阻害する乳化オリゴ糖などがカイロミクロンを低下させ, 高脂肪食によって誘導される肥満を予防することが明らかになった.

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 118 (5), 347-351, 2001

    公益社団法人 日本薬理学会

被引用文献 (5)*注記

もっと見る

参考文献 (6)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ