発酵食品とマイコトキシン Fermented foods and mycotoxins

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Author(s)

    • 眞鍋 勝 MANABE Masaru
    • (財)日本穀物検定協会中央研究所 Central Research Laboratory, Japan Grain Inspection Association

Abstract

我が国はカビを利用する伝統発酵食品が多いことから,マイコトキシン汚染の可能性について検討した.まず,アフラトキシン(AF)について調査した.我が国の麹菌株の大部分を網羅した238株について試験した結果,すべてにAFの産生を認めず,その後の麹菌検査でも産生株は発見されていない.また,米麹28点,みそ製品108点,自家醸造みそ33点,市販しょう油39点,国産米98点,輸入外米(6ヶ国)11点を全国より集めて試験した結果,すべての試料にAFの汚染はなくAF産生菌の着生も認められなかった.みそ及びしょう油の製造中にカビが繁殖してAFを産生する可能性について検討したが,仕込み時点に添加したカビ胞子は発芽・生育することもなく死滅した.次に,AFに汚染した原料で仕込みを行った場合を想定して,仕込み時にAFを添加した結果,みそでは発酵終了後にも一部分解せずに残存したが,しょう油では発酵中に全て解毒分解した.また,AF産生菌の地理的分布を土壌について調査した結果,沖縄等の亜熱帯地域から熱帯地域でかなりの頻度で分離された.そのほかのマイコトキシンとして,国産農産物からステリグマトシスチン(ST)を産生する<i>Aspergillus versicolor</i>が,かなりの頻度で分離されることから農産物を分析調査した結果,保管不良の国産カビ米等にST汚染を認めた.STは注意すべきマイコトキシンの一種である. 発酵食品の安全性を向上するための研究では,<i>A. oryze</i>の一部の麹菌株がサイクロピアゾン酸(CA)を産生することを発見し,しょう油製造中のCAの消長を試験した結果,約40日の発酵中に急激に分解・解毒することを認めた.この分解には酵母の関与が示唆された.さらに,鰹節の製造に利用するカビを業界等との共同研究で,製造に適しており,マイコトキシン産生のない安全な菌株<i>Eurotium ruber</i>と<i>E. repens</i>を,選択・普及した.また,西ドイツ国立食肉研究センターにおける共同研究では,主にヨーロッパを中心に11ヶ国のカビを利用した肉製品64点を集め,青カビを442株分離し,マイコトキシンを産生しない発酵ソーセイジ製造に適したカビ<i>Penicillum nalgiovensis</i>を選択した.

Journal

  • JSM Mycotoxins

    JSM Mycotoxins 51(1), 25-29, 2001-01-31

    Japanese Society of Mycotoxicology

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    10008018117
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AN00334513
  • Text Lang
    ENG
  • Article Type
    REV
  • ISSN
    02851466
  • Data Source
    CJP  J-STAGE 
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