免疫抑制療法後monosomy 7を伴う骨髄異形性症候群に移行し,輸血非依存性となった重症再生不良性貧血

書誌事項

タイトル別名
  • Transformation of severe aplastic anemia to myelodysplastic syndrome with monosomy 7 in a patient who achieved transfusion independence after immunosuppressive therapy
  • 症例 免疫抑制療法後monosomy 7を伴う骨髄異形成症候群に移行し,輸血非依存性となった重症再生不良性貧血
  • ショウレイ メンエキ ヨクセイ リョウホウ ゴ monosomy 7 オ トモナウ コツズイイケイセイ ショウコウグン ニ イコウ シ ユケツ ヒイゾンセイ ト ナッタ ジュウショウ サイセイ フリョウセイ ヒンケツ

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抄録

症例は72歳女性。1996年10月重症再生不良性貧血と診断し,蛋白同化ステロイド,cyclosporin Aで治療したが効果みられず,大量の血小板および赤血球輸血を必要とした。1997年9月ATG療法を施行したが汎血球減少が進行し,1998年5月MDS (RAEB)への移行と診断した。染色体分析でmonosomy 7を12/20細胞に認めたが,次第に汎血球減少は改善し,8月より輸血不要となった。12月急性骨髄性白血病(FAB-M6)へ移行,monosomy 7 100%であったが,Hb 13.2 g/dlまで改善した。しかし1999年5月急激な芽球の増加あり,FAB-M4への移行と診断し,少量Ara-C, aclarubicinなどで治療したがコントロール困難で8月死亡した。本例は免疫抑制療法後monosomy 7を伴うMDS (RAEB)へ移行するとともに輸血非依存性となった重症再不貧で,再不貧と低形成性MDSとの関連を示唆するとともに,異常クローンによる造血機能の改善を示す興味ある症例と思われる。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 41 (4), 347-353, 2000

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (17)*注記

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