Human parvovirus B19感染症による一過性の骨髄異形成が疑われた小児例

書誌事項

タイトル別名
  • Transient myelodysplasia associated with human parvovirus B19 infection in a child without underlying disease
  • 症例 Human parvovirus B19感染症による一過性の骨髄異形成が疑われた小児例
  • ショウレイ Human parvovirus B19 カンセンショウ ニ ヨル イッカセイ ノ コツズイイケイセイ ガ ウタガワレタ ショウニレイ

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抄録

Human parvovirus B19 (HPV-B19)は溶血性貧血を有する患者に感染すると無形成発作を引き起こすことが知られているが,健常者に感染して造血障害を来すことはきわめてまれである。われわれはHPV-B19感染症による一過性の骨髄異形成(myelodysplasia)が疑われた健康小児例を経験したので報告する。症例は鼻出血を主訴に入院した5歳男児で,貧血(Hb: 8.4 g/dl)と軽度の白血球減少(3,000/μl)に加え末梢血液検査で著明な血小板減少症(1,000/μl)を示した。骨髄検査では3系統のmyelodysplastic changeを認めたが,芽球,巨大前赤芽球,巨核球の増多は認めなかった。赤血球輸血と血小板輸血で経過を観察したところ,汎血球減少症とmyelodysplastic changeの所見は自然に回復した。HPV-B19の血清学的検査で,特異的IgG抗体の有意な変動が認められ,HPV-B19感染症による一過性のmyelodysplasiaが疑われた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 42 (11), 1096-1100, 2001

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (18)*注記

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