遺伝子組替え型ヒト顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子の投与を契機に血液像の正常化をみた金製剤起因性再生不良性貧血

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タイトル別名
  • Initiation of Hematopoietic Recovery by Recombinant Human Granulocyte-Macrophage Colony-Stimulating Factor in a Case of Severe Aplastic Anemia Induced by Gold Salt

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抄録

rhGM-CSF投与が血球3系統の増殖再開の契機となり,その後メテノロンアセテート(MA)投与により3年以上正常末梢血液像を維持している金製剤起因性の重症再生不良性貧血症例を経験した。患者は65歳の女性で慢性関節リウマチに対し金チオリンゴ酸ナトリウム計500 mgの投与を受けたが,最終投与の2カ月後高度の貧血のため当院に入院。入院時末梢血は高度の汎血球減少で骨髄は無形成,Hamおよび砂糖水試験が陽性を示した。3回のmPSLパルス療法とMA治療にほとんど反応がなかったため,入院4カ月後よりPSL 5 mg/日,MA 40 mg/日併用下でrhGM-CSF 300 μg/日を28日間連日皮下投与した。投与終了時には末梢好中球3,800/μl, 網赤血球4.1万/μl, 血小板4.1万/μlとなり,さらに3カ月後には末梢血液像はほぼ正常化し,以後MAを徐々に減量,現在PSL 5 mg/日のみの投与で正常血液像が保持され,PNHの病態も消失している。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 36 (1), 23-28, 1995

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (15)*注記

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