Cytosine arabinoside少量療法が著効した低形成性混合型白血病

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タイトル別名
  • Hypoplastic Mixed Lineage Leukemia Successfully Treated with Low-dose Cytosine Arabinoside

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抄録

症例は54歳男性,労作時息切れを主訴に受診した。初診時著明な汎血球減少を認め,骨髄は低形成で芽球が62.4%認められた。細胞化学ではASD-Chroloacetate Esaterase染色が陽性を示したが,Myeloperoxidase, α-Naphtyl butyrate Esterase, PASのいずれの染色も陰性で,表面マーカー解析ではCD5, 7, 33, 34およびTdTが陽性で,T細胞βレセプター遺伝子の再構成を認めた。染色体分析は正常核型であった。これらの所見をCatovskyらによるbiphenotypic acute leukemiaの診断基準に照らして,低形成性混合型白血病と診断した。Cytosine Arabinoside少量療法を21日間施行したところ,汎血球減少の傾向は残存するものの骨髄は正形成で芽球は5%以下となり,初診後1年の現在に至るまで再発の兆候はなく経過観察中である。低形成性白血病としては非典型的な細胞表面形質と,混合型白血病としては良好な治療反応性が特異と考えられたため報告する。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 37 (3), 233-238, 1996

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (14)*注記

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