巨大な骨盤腔内腫瘤を伴った慢性骨髄性白血病に施行した同種骨髄移植

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タイトル別名
  • An Allogeneic Bone Marrow Transplantation for Chronic Myelocytic Leukemia with a Large Extramedullary Tumor in the Pelvic Cavity

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抄録

症例は16歳,女性。1994年4月に右股関節に疼痛および運動麻痺が出現した。CT検査にて肝脾腫および骨盤腔内に右腸腰筋に浸潤する大きな腫瘤(6×7×13 cm)が認められた。検査成績では著明な顆粒球の増多,Ph1染色体,bcr-ablの再構成が認められCMLと診断された。腫瘤の吸引細胞診では各分化段階の骨髄系細胞が認められた。IBMTRの病期分類では芽球と前骨髄球の和が20%を越えていたのでCMLの移行期に分類された。Hydroxycarbamide, 6MP, dexamethasoneによる治療で腫瘤は著明に縮小し,同年8月にHLAの一致した兄から骨髄移植を施行した。1度の皮膚GVHD以外に重篤な合併症を認めなかった。移植後骨盤腔内CT検査にて腫瘤の完全な消失が認められた。移植後20カ月を経過して再発を認めていない。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 37 (9), 838-842, 1996

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (11)*注記

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