「未分化ジャルゴン」の再検討:症例報告と新しいジャルゴン分類の提唱

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タイトル別名
  • Reconsideration of Undifferenciated Jargon: Case Reports and Presentation of a New Classification of Jargon.

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抄録

ジャルゴンを呈した失語の3症例を報告した。症例 TY と KS の発話は音韻的には比較的明瞭で表記可能であったが,ほとんどが新造語で占められるジャルゴンであった。しかし,明らかな文法的機能語が認められず,正常の文構造が崩壊している点で,通常の新造語ジャルゴンとは異なると考えられた。これに対して,症例KHの発話は音節の分離さえ不明瞭な,ほとんど表記不能なジャルゴンであった。未分化ジャルゴンの概念は混乱しているため,TY および KS の発話を音節性ジャルゴン,KH の発話を表記不能型ジャルゴンと呼ぶことを提唱した。また,音節性ジャルゴン,表記不能型ジャルゴン,新造語ジャルゴンの3者について,その責任病巣や成立機序の違いを考察した。

収録刊行物

  • 失語症研究

    失語症研究 17 (4), 269-277, 1997

    日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)

被引用文献 (8)*注記

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参考文献 (31)*注記

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