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抄録
高IgE症候群の3ヵ月.女児例を報告した.本症に特有の症状は,生後1ヵ月より膿痂疹性湿疹,生後2ヵ月より黄色ブドウ球菌(黄色ブ菌)性冷膿瘍を操り返し,3歳時には粗野な顔貌を呈した.血清IgEは16.070IU/mlであり,カンジダ,猫上皮および卵白特異IgEで抗体が高値であった.とくに,黄色ブ菌の外毒素であるStaphylococcal enterotoxinAとB(SEA,SEB)に対する特異IgE抗体は,SEA5,000IU/mlおよびSEB9,450IU/mlと極めて高値を呈した.当科においてアトピー性皮膚炎(AD)患者を対象に測定したSEA抗体の平均値は9.28±32.19IU/ml(0.00~240IU/ml),SEB抗体の平均値は16.79±63.02IU/ml(0.2~482IU/ml)であった(未発表データ).黄色ブ菌外毒素特異IgE抗体の異常高値は本症の特徴であり,これら細菌性外毒素が,本症の易感染性および慢性の湿疹様病変において一因を成している可能性が考えられた.
収録刊行物
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- 日本皮膚科学会雑誌
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日本皮膚科学会雑誌 110 (14), 2225-, 2000
公益社団法人 日本皮膚科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205740227200
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- NII論文ID
- 130004681252
- 10008118758
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- NII書誌ID
- AN00196602
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- ISSN
- 13468146
- 0021499X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可