目視法による火山起因物質の拡散と堆積量の測定

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タイトル別名
  • 目視法による火山起因物質の拡散と堆積量の推定
  • モクシホウ ニ ヨル カザン キイン ブッシツ ノ カクサン ト タイセキリョウ ノ スイテイ

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抄録

約200年ぶりに火山活動を再開した雲仙普賢岳は、大量の火山噴出物を山麓一帯に放出した。火山噴出物は粒径により0.2mm未満の火山灰、0.2~32mmの火山礫および32mm以上の火山岩塊に大別される。このうち火山灰は他と比較して広範囲に影響を及ぼす可能性があるため、以下本研究では火山灰を火山起因物質と見なして調査を行った。また、雲仙普賢岳に堆積した火山灰は微粒子でかつ高密度であるため、降水により徐々に締め固められて硬くなり、土壌中の水分や酵素が供給され難くなることが知られている。水無川に発生する土石流は、比較的小雨でも発生する。また、島原半島地域が県内でも比較的多雨な地域であることから、梅雨期を中心として土石流が発生しやすい地域であると報告されている。この土石流中には通常の土石および土砂とともに、大量の火山灰が混入しており、陸上においては人体や植物および構造物等への被害と、さらに島原湾に流入した際、火山灰による水産生物への影響が懸念される。図-1に島原半島および雲仙普賢岳の位置と土石流が島原湾に流入するときの経路となる3河川(水無川、中尾川、湯江川)を示した。水無川河口周辺海域は古くから沿岸漁業が盛んであり、多種多様の漁業が行われている。島原市および深江町の漁業の代表的業態は、ごく沿岸域での採貝・採藻・距岸数十メートル以内の藻類養殖、沖合域では刺網、小型底曳網、たこつぼ、いかかご等の漁船漁業等である。

収録刊行物

  • 水産工学

    水産工学 35 (3), 293-302, 1999-03

    東京 : 日本水産工学会

参考文献 (5)*注記

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