流れの場におかれた円柱に対するテナガエビ(Macrobrachium nipponense)の応答

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  • Reaction of Oriental River Prawns Macrobrachium nipponense near a Cylinder Exposed to Water Current

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抄録

人工魚礁を設置することにより、漁場環境が改変された場合、魚礁は当該場に生息していた生物にとって新たな物理的刺激の発生源になる。場の状態変化に対して、生物は場に対する嗜好性により刺激発生源へ接近または逃避として応答する。当該場における生物の時空間的分布状況は、魚礁設置前後では変化しているだろう。ケンミジンコは魚礁の流体力学的陰影の範囲に分布する。刺激発生源周辺に生物がい集することは興味深い。しかし、魚礁周辺へ生物がい集する現象は、その場における多数の生物・物理学的要因に深く関わっており、い集機構はまだ明確にされていない。琵琶湖かご漁業の主要対象種であるテナガエビの主な生息場は、湖岸近くの転石が散在する砂れき帯で、転石周辺部で多獲される。本種は転石によって形成される好適な場を選択し、生息しているといえよう。個体が刺激発生源へ接近あるいは逃避する現象の解析は、魚礁のい集機構を解明するための重要な因子になると予想される。ここでは、生物の魚礁へのい集機構を解明する基礎資料を得る目的で、水槽実験により一様流中に置かれた円柱に対するテナガエビの応答を調べた。

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