小児科領域におけるAzithromycin (カプセル剤) の総合評価

書誌事項

タイトル別名
  • PHARMACOKINETIC AND CLINICAL STUDIES WITH AZITHROMYCIN (CAPSULE) IN THE PEDIATRIC FIELD
  • Pediatric Study Group of azithromycin
  • Azithromycin小児科領域研究会

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抄録

アザライド系抗生物質Azithromycin (AZM) の新しく開発された100mgのカプセル剤を, 小児感染症に対して10mg/kg (以下投与量は全て力価で表示) の標準用量で1日1回3-5日間投与 (全体の89.9%が3日間投与であった) し, 有効性及び安全性を検討した。<BR>また, 9例の血中濃度, 12例の尿中濃度を測定し, 体内動態の検討を行った。<BR>1. 吸収・排泄試験成績<BR>AZM 8.5-14.3mg/kg投与9例のCmax (平均±標準偏差) は0.45±0.28μg/ml, T1/2は52.7±20.2時間, AUC0-coは12.09±4.93μg・hr/mlであった。尿中濃度は8.5-14.7mg/kg投与12例で投与開始後48-72時間で最高濃度を示し, 投与後120時間までの累積尿中回収率は7.3±2.8%であった。<BR>2.臨床効果<BR>総症例数は139例で, 除外・脱落を除いた119例を臨床効果の解析対象とした。有効率 (著効+有効の割合) は原因菌判明例 (A群) 40例で100%, 原因菌不明例 (B群) 79例では97.5%であり, A群とB群に有意差をみなかったため参考として両群を合わせると, 有効率は98.3%であった。<BR>3日間以上続けた先行化学療法が無効であった31例に対する有効率は93.5%であった。<BR>3. 副作用・臨床検査値異常<BR>安全性解析対象130例のうち, 下痢, 発疹, 蕁麻疹, 嘔吐の症状が7例 (5.4%) に8件認められたが, 投与中止例2例を含め軽度又は中等度の一過性の症状であり, 全て回復した。<BR>臨床検査値の異常変動は, 白血球数の減少io件 (9.3%), 好酸球数の増多12件 (11.4%), 血小板数の増多1件 (1.0%), GOTの上昇3件 (3.1%), GPTの上昇6件 (6.2%), LDHの上昇1件 (1.1%) が認められたが, 一過性のものであり特に留意すべき異常所見はなく, 異常値と関連すると思われる臨床症状を呈した症例はなかった。<BR>4. 服用性<BR>解析対象134例のうち, 「非常に飲みやすい」9例 (6.7%), 「飲みやすい」75例 (56.0%) で「飲みやすい」以上が62.7%, 「普通」43例 (32.1%), 「飲みにくい」6例 (4.5%), 「飲めない」1例 (0.7%) であった。<BR>以上の成績から, 本剤は1日標準用量として1回10mg/kg, 1日1回, 3日間投与により, 小児市中適応感染症に対して有用な薬剤であると考えられる。

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