環境ホルモン  内分泌撹乱化学物質による障害機構の考え方

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タイトル別名
  • Endocrine Disruptors: Mechanism of Action.
  • ロウネン イガク ノ テンボウ カンキョウ ホルモン ナイブンピ カクラン カガク ブッシツ ニ ヨル ショウガイ キコウ ノ カンガエカタ
  • 内分泌撹乱化学物質による障害機構の考え方

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抄録

内分泌撹乱化学物質, いわゆる「環境ホルモン」の生体作用の特徴, その対象として想定されている化学物質, ならびに現時点での問題点について概説した.“内分泌ホルモン様の機能”をもつ化学物質としてのこれらの物質の生体作用の特徴は, 受容体原性の作用に性質が集約される. そこにある問題点は, まず第1に閾値問題, すなわち受容体原性の障害発症機構に起因する極微量反応性の問題, 第2に低用量問題, すなわちおそらく受容体のリダンダンシーなどの分子機構に関わると思われる, 低用量域ではっきりしない用量相関問題, 第3に受容体シグナルの伝達機構に関わる「相乗・相加効果」の問題, そして, 第4に, 胎生期の特定な時期に高い感受性を呈して後世代影響へとつながる, いわゆる「胎生期ウィンドウ」の問題である. この他, 受容体のプレイオトロピズムとも関連した, 神経系や免疫系などの高次調節系に関わる影響も, 重要な位置を占めており, 神経形成, 薬物アレルギーなどとの関連で新たな課題を構成している. 従って, 寿命や加齢との関連でこれらの物質が接点を持つ可能性は充分考えられるが, 現段階での研究成果は乏しい. この方面での取り組みの方向性などについても若干考察した.

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