睡眠時に大発作が集積するてんかんと覚醒時に大発作が集積するてんかんの臨床特徴の再検討

  • 兼本 浩祐
    国立療養所宇多野病院関西てんかんセンター
  • 川崎 淳
    国立療養所宇多野病院関西てんかんセンター
  • 河合 逸雄
    国立療養所宇多野病院関西てんかんセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Characteristics of Sleep Grand Mal of Janz and Grand Mal on Awakening
  • その他の大発作を有するてんかんと比較して
  • A Comparison with Diffuse Grand Mal

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抄録

睡眠時に大発作が集積して出現する224例のてんかん例と覚醒時に大発作が集積する86例のてんかん例を, 特に時間帯と関係なしに大発作が出現する1, 590例のてんかん例と比較した. その結果, 睡眠時大発作は症候性局在関連てんかんと最も強い関連を示し, 精神性前兆, 脳波上は側頭部焦点が有意に多かった.症候群別では前頭葉てんかんと側頭葉てんかんと有意の関連を示した. 他方, 覚醒時の大発作は特発性全般てんかんと最も強く関連し, 欠神発作, ミオクロニー発作, 3c/sおよびそれより速い全般性棘徐波が有意に多かった. 症候群別では若年性ミオクロニーてんかんと有意の相関を示した. さらに睡眠時大発作てんかんは局在関連てんかん全体の予後と比較すると有意に良好な寛解率を示し, 覚醒時大発作てんかんは特発性全般てんかん全体と比べると有意差には到らないがより良好な寛解率を示した.

収録刊行物

  • てんかん研究

    てんかん研究 14 (3), 181-186, 1996

    一般社団法人 日本てんかん学会

参考文献 (10)*注記

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