歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症 (DRPLA) 患者における体性感覚・聴覚脳幹誘発電位の所見

  • 笠井 清登
    国立精神・神経センター武蔵病院・精神科 東京大学医学部精神医学教室
  • 大沼 悌一
    国立療養所・犀潟病院
  • 加藤 昌明
    国立精神・神経センター武蔵病院・精神科 東京大学医学部精神医学教室
  • 加藤 武治
    国立精神・神経センター武蔵病院・臨床検査部
  • 竹谷 淳
    国立精神・神経センター武蔵病院・精神科 東京大学医学部精神医学教室
  • 関本 正規
    国立精神・神経センター武蔵病院・精神科 東京大学医学部精神医学教室
  • 渡辺 慶一郎
    国立精神・神経センター武蔵病院・精神科 東京大学医学部精神医学教室
  • 南 成祐
    国立精神・神経センター武蔵病院・臨床検査部
  • 後藤 雄一
    国立精神・神経センター神経研究所・微細構造研究部
  • 三辺 義雄
    国立精神・神経センター神経研究所・疾患研究第7部

書誌事項

タイトル別名
  • Differences in Evoked Potential Findings Between DRPLA Patients and Patients with Cortical Reflex Myoclonus
  • 他の進行性ミオクローヌスてんかんとの比較

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抄録

歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症 (DRPLA) 患者を対象として、体性感覚および聴覚脳幹誘発電位 (SEP、ABR) を測定した。対象はDRPLA患者9家系10名で、そのうち9名は遺伝子診断によりCAGリピートの増大が確認されていた。対照群は.DRPLAでない進行性ミオクローヌスてんかん (PME) 患者3名で、そのうち2名は遺伝子診断によりUnverricht-Lundborg病と確認されていた。正中神経刺激による皮質SEPにおいて、DRPLA群ではいずれもP2-N2頂点問振幅値が10μV未満であったのに対し、PME群ではいずれも10μV以上の高振幅SEPを認めた。ABRにおいては、DRPLA群では8名中5名でいずれか一方の耳側刺激時にIII波以上の活動が消失していたのに対し、PME群では2名中2名ともI~V波までの活動を認めた。このように、DRPLAと他のPMEはSEP・ABRの所見が異なっていたことから、DRPLAの臨床診断における誘発電位測定の有用性が示唆された。またこれらの所見は、皮質下・脳幹が主たる責任部位であるDRPLAと、皮質の易興奮性が優勢な他のPMEとの病態生理の違いを反映していると考えられた。

収録刊行物

  • てんかん研究

    てんかん研究 16 (3), 184-192, 1998

    一般社団法人 日本てんかん学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (39)*注記

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