良性小児てんかんにおけるローランド発射の脳磁図による研究

  • 平岩 里佳
    国立療養所静岡東病院 (てんかんセンター)
  • 渡辺 裕貴
    国立療養所静岡東病院 (てんかんセンター)
  • Sato Susumu
    EEG Section, National Institute of Neurological Disorders and Stroke, National Institutes of Health
  • 八木 和一
    国立療養所静岡東病院 (てんかんセンター)

書誌事項

タイトル別名
  • A Magnetoencephalographic Study on Rolandic Discharges in Benign Childhood Epilepsy
  • 症候性部分てんかんの棘波と比較した電流モーメントの特徴
  • Characteristics of the Current Moment Compared with that of the Spike Discharges in Symptomatic Partial Epilepsy

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抄録

中心・側頭部に棘波をもつ良性小児てんかん (BECT) 5例の脳磁図を記録し、ローランド発射 (RD) の等価電流双極子 (ECD) 解析を行った。ECDの電流モーメント (Q) の分布について、RDと年齢分布の一致した症候性部分てんかん (SPE) 9例の棘波との結果を比較検討した。結果、BECT、SPE両群ともにQの分布は正規分布ではなかったが、対数に変換すると正規分布を示した。対数正規分布から導いたQの平均値は、BECT群では272nAm (mean±SD144-514nAm) 、SPE群では、177nAm (mean±SD109-286nAm) であった。RDのQはSPEの棘波のQに比べ、有意に大きく、より幅広く分布した。さらに、RDは、発作の消失とともに比較的短期間に小棘波に変化し、そのQも著明に減少した。Qの検討から、RDは、SPEの棘波に比べ、より多くの、より可変性のある数の神経細胞集団が同期的に興奮することにより生じていると考えられた。

収録刊行物

  • てんかん研究

    てんかん研究 18 (2), 124-132, 2000

    一般社団法人 日本てんかん学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (27)*注記

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