アトピー性皮膚炎患者の手背部皮疹の発症増悪因子に関して―特に心理社会的因子の関与について―

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タイトル別名
  • Stress is Associated with Eczema on the Dorsa of the Hands in Atopic Dermatitis: A Study of the Psychosocial Aspects of Atopic Dermatitis
  • アトピーセイ ヒフエン カンジャ ノ テ ハイブ ヒシン ノ ハッショウ ゾウ アクインコ ニ カンシテ : トクニ シンリ シャカイテキ インシ ノ カンヨ ニ ツイテ

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抄録

アトピー性皮膚炎患者の皮疹がストレスで増悪する事は良く知られているが,その部位の検討は行われていない.今回我々は,1年以上観察している思春期後のアトピー性皮膚炎患者102名に対して手背部の皮疹の発症・増悪因子に関する観察とアンケート調査を行い,検討した.年齢は15~47歳(平均28.5歳),性別は男40例,女62例で男女比1:1.5であった.1年間の観察期間中に78例,76.5%で手背部皮疹が見られ,その94.9%が皮疹の存在時に瘙痒を自覚していた.手背部皮疹は左右差を認めないものが59.0%と多かった.手背部皮疹の増悪因子としてストレスと考えられるものが55.7%で,外的刺激と考えられるものは38.0%であった.外的刺激に比べてストレスの方が高頻度に見られた.ストレス負荷時にいずれかの部位に瘙痒の出現を自覚するものが75例(73.5%)あり,最も多い部位は手背部で24.5%,次いで顔面20.6%であった.思春期後のアトピー性皮膚炎患者に見られた手背部皮疹の発症増悪因子の中で,ストレスが最も高頻度であった.

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