小児のタイプ A 行動パターンに関する研究 タイプ A を構成する競争性および焦燥•攻撃性と生活習慣関連因子との関わり

書誌事項

タイトル別名
  • A STUDY OF SCHOOL CHILDREN WITH TYPE A BEHAVIOR PATTERN ASSOCIATION OF “COMPETITIVENESS” AND “IMPATIENCE-AGGRESSION” WITH LIFESTYLE-RELATED FACTORS
  • 小児のタイプA行動パターンに関する研究--タイプAを構成する競争性および焦燥・攻撃性と生活習慣関連因子との関わり
  • ショウニ ノ タイプ A コウドウ パターン ニ カンスル ケンキュウ タイプ A オ コウセイ スル キョウソウセイ オヨビ ショウソウ コウゲキセイ ト セイカツ シュウカン カンレン インシ ト ノ カカワリ

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抄録

目的 小中学生のタイプ A 行動パターンと小児生活習慣病関連の検査成績および生活習慣との関連を検討する。<br/>方法 埼玉県 I 町の小学 4 年生(277人)および中学 1 年生(297人)に対して,山崎の日本版児童用タイプ A 検査(MYTH)を用いてタイプ A 行動パターンを測定し,同時期に行われた小児生活習慣病予防検診成績,さらに,運動習慣,食習慣に関する項目を含む調査を行い,タイプ A 得点との関連を分析した。<br/>成績 タイプ A 合計得点は,全体および男子において,小学 4 年生は中学 1 年生よりも高い傾向がみられた。学年別に,全17項目の得点を変数として因子分析を行った結果,タイプ A 行動パターンは「競争性因子」,「焦燥・攻撃性因子」の 2 因子に展開された。両群間の因子スコアの差をみたところ,男女とも小学 4 年生は中学 1 年生よりも「焦燥・攻撃性因子スコア」が有意に高かったが,「競争性因子スコア」は差がみられなかった。「競争性因子スコア」は小中学生とも「スポーツや運動が好き」,「授業以外のスポーツをしている」群が有意に高く,小学 4 年生では「食べ過ぎと親に言われる」(いいえ),「食べるスピードが速いか同じ」群が有意に高かった。「焦燥・攻撃性因子スコア」は小中学生とも授業以外のスポーツをしていない群,スポーツが好きでない群,「菓子を食べながら TV,本をみる」群が高い傾向を示した。また,小学 4 年生では「いつも腹一杯になるまで食べる」群が有意に高く,中学 1 年生では「よく噛んで食べる(いいえと回答)」,「食べ過ぎと親に言われる」群が高い傾向を示した。中学 1 年生は,動脈硬化指数と「競争性因子スコア」との間に有意な負の相関,「焦燥・攻撃性因子スコア」との間には逆に有意な正の相関がみられた。また,動脈硬化指数が高い群ほど「競争性因子スコア」は低値を示し,逆に「焦燥・攻撃性因子スコア」は動脈硬化指数が高い群ほど高値を示す傾向がみられた。<br/>結論 タイプ A 行動パターンを「競争性」と「焦燥・攻撃性」の 2 サブタイプ別に分析することにより,生活習慣および動脈硬化指数との関連を見出した。これらのサブタイプを表す因子スコアを指標として,タイプ A 行動パターンを追跡調査することは,今後の小児のタイプ A 型行動パターンと虚血性心疾患リスクとの関連研究に有用であると考えられた。

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参考文献 (23)*注記

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