飼育イヌのジアルジア感染状況

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タイトル別名
  • Prevalence of <I>Giardia lamblia</I> Infection in Household Dogs
  • Prevalance of Giardia lamblia Infection in Household Dogs
  • Prevalence of Giardia lamblia Infection in Household Dogs

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抄録

一般家庭で飼育されているイヌ1035頭について, Giardia lamblia (G.lamblia) の感染状況を調査した.その結果, 1, 035頭中151頭 (14.6%) のイヌの糞便からG.lambliaが検出された.室内で飼育されているイヌのG.lamblia感染率 (18.5%) は, 室外で飼育されているイヌ (48%) に比較して有意に高かった (p<0.001).また, 1~6カ月齢群のイヌにおける感染率 (217%) は, 他の年齢群の感染率 (7カ月~1歳齢群: 7.5%, 2~5歳齢群: 4.5%, 6歳齢以上群: 2.4%) に比較して有意に高かった (それぞれp<0.001).さらに, ペットショップ・ブリーダー由来のイヌの感染率 (21.5%) は, 一般家庭由来のイヌ (4.3%) に比較して有意に高かった (p<0.001).<BR>ヒトとの接触機会が多い幼齢および室内飼育のイヌにけるG.lambliaの高い感染率は, イヌ由来G.lambliaの一部が人獣共通の寄生虫である可能性が指摘されていることから, ヒトの公衆衛生学上, 重要な問題である.今回の調査における成績は, イヌからヒトへのG. lamblia感染の危険性は, 無視できないことを示している. イヌからヒトへのG. lamblia感染を防御するため, 飼い主に対する積極的な衛生学的指導が必要であると考える.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 75 (8), 671-677, 2001

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (8)*注記

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参考文献 (19)*注記

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