ELISA法による腸管出血性大腸菌O157由来LPS IgMおよびIgG抗体測定の基礎および臨床的検討

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タイトル別名
  • Development of an Enzyme-Linked Immunosorbent Assay (ELISA) for Detection of IgM and IgG Antibodies to Lipopolysaccharide of <I>Escherichia coli</I> O157
  • ELISAホウ ニ ヨル チョウカン シュッケツセイ ダイチョウキン O157 ユライ LPS IgM オヨビ IgG コウタイ ソクテイ ノ キソ オヨビ リンショウテキ ケントウ
  • Development of an Enzyme-Linked Immunosorbent Assay (ELISA) for Detection of IgM and IgG Antibodies to Lipopolysaccharide of Escherichia coli O157

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抄録

腸管出血性大腸菌O157: H7 (VT1, VT2+) 株から抽出したlipopolysaccharide (LPS) に対する血清中抗Ol57LPS-lgMおよびIgG抗体を測定するELISA法を開発し, 溶血性尿毒症症候群 (Hemolytic urernic syndrome: HUS) および出血性大腸炎 (hemorrhagic colitis: HC) 症例について検討を行った.本法は, 感染性疾患を持たない健常者群を用いて設定したCut offコントロール吸光度に対する, サンプル吸光度の比をIndex値として評価した.<BR>本法の再現性はIgMおよびIgGとも10%前後と良好な結果が得られた.また, 0~5歳児でのCut off Index値はIgMで0.60, IgGで0.95であった.また, O血清型別抗血清を用いO157以外のO血清型特異性を検討した結果, O27に対し反応性が認められたが, それ以外のO血清型との反応性は認められなかった.<BR>HUSおよびHC症例では抗LPS-IgM抗体は第3病日以降に陽性を示したのに対し, IgG抗体は第8病日以降から陽性を示した.<BR>以上の結果より, 本法は精度良くO157LPS-IgMおよびIgG抗体を測定することが可能であり, また, 抗O157LPS-IgM抗体測定は, 感染初期から陽性を示すことからO157感染の早期補助診断として有用であると考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 73 (6), 593-599, 1999

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (15)*注記

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