乳幼児結核症におけるツベルクリン反応の大きさについて

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タイトル別名
  • Analysis of Tuberculin Reaction of Tuberculous Children below 4 Years of Age
  • ニュウヨウジ ケッカクショウ ニ オケル ツベルクリン ハンノウ ノ オオキサ ニ ツイテ

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抄録

乳幼児結核症60例における診断時のツベルクリン反応 (ツ反) の最大発赤径 (発赤径) について検討した. ツ反陽性者は60例中53例 (88.3%), ツ反発赤径は平均24.0±13.9mm, 発赤径の最大は60mmであった. 発赤径が9mm以下の陰性例は7例, その内訳は初期変化群肺結核が3例と重症結核 (粟粒結核2例, 結核性髄膜炎2例) が4例であった. BCG既接種群 (平均31.3±16.4mm) のツ反発赤径は未接種群 (平均22.2±12.7mm) より有意に大きかった (p<0.05). 年齢別ツ反発赤径では, 0歳の発赤径は4歳に比べ有意に小さかった (p<0.05). 病型別発赤径では, 重症結核の発赤径は初期変化群に比べ有意に小さかった (p<0.05). 初期変化群では, 肺門部リンパ節病変が顕著なH型と肺野に初感染巣の病変を認める皿型の発赤径に有意な差はみられなかった. 以上の結果より, 乳幼児においてツ反が陰性の場合は必ずしも未感染を意味せず, また陽性の場合は最大発赤径の大きさで結核症の重症度を捉えることはできなかった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 73 (7), 658-663, 1999

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (14)*注記

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