腸管出血性大腸菌O157の成人, 小児患者および成人保菌者の抗O157 LPS抗体価の変動

  • 足立 枝里子
    国立小児病院・小児医療研究センター・感染症研究部
  • 吉野 健一
    国立小児病院・小児医療研究センター・感染症研究部
  • 竹田 多恵
    国立小児病院・小児医療研究センター・感染症研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Anti-LPS Antibodies in Adult and Infant Patients Infected with Enterohemorrhagic <I>Escherichia coli</I> O157
  • チョウカン シュッケツセイ ダイチョウキン O157 ノ セイジン ショウニ カンジャ オヨビ セイジン ホキンシャ ノ コウO157 LPS コウタイカ ノ ヘンドウ
  • Anti-LPS Antibodies in Adult and Infant Patients Infected with Enterohemorrhagic Escherichia coli O157

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抄録

腸管出血性大腸菌 (EHEC) O157患者血清中の抗O157LPS抗体をELISA法により測定し, 病後免疫の変動を分析して, 血清学的診断における留意点を検討した.健常成人および小児のカットオフ値はIgM抗体がそれぞれ0.85, 0.40, IgG抗体が0.57, 0.39で, 年齢により大差があった.患者群においては成人は小児に比べると, 抗体価が低く陰性化するのも早いことがわかり, 成人患者においては特に採血の時期が診断上重要と考えられた.小児においては第3病日でも抗体の上昇が観察されるものもあり, また重症化している患児ほど早期からIgM抗体が高く検出されると思われた.保菌者では抗体上昇がみられず, 診断的価値はないこともわかった.血清中の抗O157 LPS抗体を測定することは, 原因菌が特定できない患者の診断に有用ではあるが, 検査の時期を考慮することが重要である.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 73 (8), 772-777, 1999

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (7)*注記

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