酸素吸収・炭酸ガス発生剤とポータブル小型恒温槽を用いた熱帯熱マラリア原虫の薬剤感受性試験

書誌事項

タイトル別名
  • <I>In Vitro</I> Drug Susceptibility Test of <I>Plasmodium falciparum</I> Using a Portable Thermostat and CO<SUB>2</SUB> Gas Generator
  • サンソ キュウシュウ タンサン ガス ハッセイザイ ト ポータブル コガタ コウオンソウ オ モチイタ ネッタイ ネツ マラリア ゲンチュウ ノ ヤクザイ カンジュセイ シケン
  • In Vitro Drug Susceptibility Test of Plasmodium falciparum Using a Portable Thermostat and CO2 Gas Generator

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抄録

薬剤感受性試験は低酸素, 高炭酸ガスの環境下で原虫を培養し, 薬剤を作用させて行われている.マラリア流行地の野外試験に適した培養法を基に行われる薬剤感受性試験は, 現場で最も必要とされているにもかかわらず, 適正な方法, 機材はまだ不充分である.今回, 野外試験用に開発した酸素吸収・炭酸ガス発生剤のアネロパック®・CO2 (三菱ガス化学株式会社, 東京) 及びポータブル小型恒温槽 (タイジ株式会社, 東京) を組み合わせたアネロパック®マラリアカルチャーシステムを用いて薬剤感受性試験を行う上で, その結果を従来の標準法と同じ培養環境が整えられるか検討した.<BR>試験に供した熱帯熱マラリア原虫はクロロキンに対し高い耐性を示す株 (K-1), クロロキンに対して感受性を示す株 (SGE-1) と世界的に広く培養実験に使用されているFCR-3株, 及び輸入マラリア患者の末梢血より直接分離し培養した初代培養株2株の計5株であった.その結果, いずれの株も, 新方式及び従来の標準法で同程度のクロロキン感受性値を示すことが判明し, 野外試験においてクロロキン感受性試験を行うために, アネロパック®マラリアカルチャーシステムは極めて有用であると考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 73 (11), 1099-1103, 1999

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (10)*注記

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