マウスを用いた百日咳ワクチン経鼻接種に関する研究

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タイトル別名
  • Induction of Protective Immunity for <I>Bordetella pertussis</I> by Nasal Inoculation of Pertussis Vaccine in Mice
  • マウス オ モチイタ ヒャクニチゼキ ワクチン ケイビ セッシュ ニ カンスル ケンキュウ
  • Induction of Protective Immunity for Bordetella pertussis by Nasal Inoculation of Pertussis Vaccine in Mice

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抄録

最近経粘膜ワクチンの研究および開発が進められている.今回, 生後6週Balb/c雌性マウスを用い, ケイキサレートをアジュバントとした百日咳ワクチンの経鼻接種を試み, 百日咳に対する血清IgG抗体, 局所分泌型IgA抗体およびリンパ球特異細胞性免疫の誘導について検討を行った.沈降精製百日咳ジフテリア破傷風混合ワクチン, 百日咳菌PTとFHAの混合ワクチン, 百日咳菌PTとFHAの混合ワクチンにアジュバントを添加したワクチン, の3種類を, 4週間毎に3回, 筋注および経鼻接種し, 接種後4週毎に採血しELISA法で抗PTおよび抗FHAIgG抗体価の測定を行った.同時に3回接種後4週で鼻腔洗浄液を採取し, 抗PTおよび抗FHAIgA抗体価をELISA法で測定した.また, マウスの脾細胞から分離した単核球を, PT, FHAとともに培養し, その芽球化反応をサイミジンの取り込みにより検討した.その結果, 血清IgG抗体は抗PT抗体, 抗FHA抗体のいずれにおいても筋注のみならず経鼻接種でも上昇することが確認され, かつ, 局所IgA抗体ではPT, FHAともにアジュバントを加えた経鼻接種において上昇を認め, また, 特異細胞性免疫でも同様に, 経鼻接種群でPT, FHAどちらの上昇もみられたが, なかでもアジュバントを加えたワクチン接種群のFHAが有意に上昇した.以上よりケイキサレートをアジュバントとし加えた百日咳ワクチンの経鼻接種の効果の可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 73 (11), 1145-1152, 1999

    一般社団法人 日本感染症学会

参考文献 (17)*注記

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