千葉県大網白里町で発生したソンネ菌による集団発生事例における分子遺伝学的解析の有用性

書誌事項

タイトル別名
  • Usefulness of Genotypic Analysis for Investigation of an Epidemic of Shigella sonnei Infections in Ooami-shirasato Town, Chiba Prefecture
  • チバケン オオアミシラサトマチ デ ハッセイシタ ソンネキン ニヨル シュウダ

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抄録

1996年3月から4月にかけて, 千葉県山武郡大網白里町のA保育園園児を中心に, ソンネ菌による大規模な集団赤痢が発生した.本事例の疫学解析を目的として, 患者由来株のコリシン型別, 薬剤耐性型別および, プラスミドプロファイル, パルスフィールドゲル電気泳動法 (PFGE) およびRandom Amplified Polymorphic DNA法 (RAPD) による遺伝子解析を行った<BR>患者由来94株は, コリシン型で3種類 (0型: 87株, 4型: 5株, 2型: 2株), 薬剤耐性型で5種類に分類された. しかし, プラスミドプロファイル, PFGE, RAPDパターンには大きな差は認められず, コリシン型および薬剤耐性型が異なるこれらの株は同じクローンに属することが明らかとなった. 分子遺伝学的解析を集団発生事例に応用することにより, 本事例は単一クローン菌がヒトからヒトに伝搬して発生した事例であると推測することができた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 72 (6), 615-620, 1998

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (13)*注記

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