ELISAを用いたA型インフルエンザウイルス迅速診断キットの検討

DOI Web Site PubMed 被引用文献27件 参考文献20件

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of a Rapid Enzyme Immunoassay Membrane Test for Diagnosis of Influenza A Virus Infection
  • ELISA オ モチイタ Aガタ インフルエンザ ウイルス ジンソク シンダン

この論文をさがす

抄録

A型インフルエンザウイルスの迅速診断法である抗原検出キットDirectigen Flu Aについての評価を目的として, 各種検討を行なった.<BR>現在までにヒトで流行したA (H1N1, H2N2, H3N2) 型17株および1997年に香港でヒトから分離されたH5N1 (Hongkong/156/97) すべてに反応し, 抗原の変異, 亜型間での差は認められなかった. また, A型インフルエンザウイルス以外の呼吸器系ウイルスとの交差反応はみられなかった.<BR>プラーク定量したウイルス液を用いた検出限界の測定では, 2.4×103pfu/assayのウイルス量で陽性と判定することが可能であった.<BR>呼吸器系疾患が認められる小児から採取した臨床検体を用い, 細胞培養によるウイルス分離との比較を行なった. 咽頭ぬぐい液を検体とした場合, 感度は77.9%, 特異性は98.4%であった. 鼻汁吸引液では感度は92.1%, 特異性は100%で, 高い感度および特異性が証明された.<BR>この検査キットは他のインフルエンザ診断法に比べて簡便かつ迅速な検出が可能であり, 約10-15分で結果が得られることから, 様々な医療現場において有用であると考える.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 72 (8), 827-833, 1998

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (27)*注記

もっと見る

参考文献 (20)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ