Pazufloxacin (PZFX) の感染性腸炎に対する基礎的・臨床的検討

書誌事項

タイトル別名
  • Basic and Clinical Studies of Pazufloxacin on Infectious Enteritis Research Group of T-3761 on Infectious Enteritis (Manager; Shoichiro IRIMAJIRI)
  • Pazufloxacin PZFX ノ カンセンセイ チョウ エン ニ タイス

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抄録

pazufloxacin (PZFX) の細菌性赤痢, サルモネラ腸炎を主とする感染性腸炎患者および保菌者137例に対する臨床試験を行い, 併せて臨床分離株に対する抗菌力, 糞便中への移行および腸内細菌叢に対する影響を検討した.<BR>投与量は1回200mg, 1日3回で, 投与期間はコレラでは3日間, サルモネラ腸炎では7日間, その他の感染性腸炎では5日間とした.<BR>臨床効果の有効率は細菌性赤痢で96.9%, 菌陰性の感染性腸炎で93.8%, サルモネラ腸炎, コレラを含む他の感染性腸炎では100%, 全体では97.2%であった.細菌学的効果の有効率は, 赤痢菌では98.2%, サルモネラでは81.8%, コレラでは50%, 大腸菌, 腸炎ビブリオなど他の菌では100%であった.<BR>副作用は1例 (0.8%) に胃部鈍痛が認められた.臨床検査値異常はGOT, GPTの上昇, 好酸球の増加などが11例 (11.2%) に認められた.<BR>有用性は95.2%が有用以上と判定された.<BR>抗菌力は赤痢菌, サルモネラ, 大腸菌に対し, MIC90値でそれぞれ0.025, 0.025, 0.025μg/mlであった.<BR>糞便中の薬剤濃度と腸内細菌叢におよぼす影響について検討したが, 健康成人男子とほぼ同等の成績であった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 70 (1), 60-72, 1996

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (20)*注記

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