HBワクチン接種者における獲得抗体価の推移

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タイトル別名
  • Investigation on Change of Acquired Antibodies in Responders against Hepatitis B Vaccine
  • HB ワクチン セッシュシャ ニ オケル カクトク コウタイカ ノ スイイ

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抄録

HBワクチンの接種により獲得されたHBs抗体の抗体価の推移を, 長期経過後に抗体価を再測定し検討を行った. 著者らの病院の教職員に集団接種クールとして, 組換えHBワクチン10μgを3回筋肉内に接種した. 接種クール完了4週後にRIA法にて測定した抗体価が, cut off index (C. I.) 2.0以上に陽転した者は185名であった. このうち, クール完了38カ月後に, 完了4週後の抗体価測定以後初めて再測定を行った者, 48名を検討対象とした. 4週後にはC. I. 50以上の高反応者は7名, 10~49の中反応者は29名, 9.9以下の低反応者は12名であったが, 38カ月後には4週後の抗体価に比例して低下がみられ, 各々0名, 4名, 22名となり, 1.9以下への再陰転化が22名にみられた. 感染予防に十分な抗体価を10以上とすると, 38カ月後に36名中32名が10未満に, また, 完了16カ月後にHBs抗体価を初測定し得た群では, 16カ月後に24名中8名が10未満になり, 追加接種が必要であった. 38カ月後に10未満に低下していた32名のうち12名に, HBワクチンを1回追加接種した結果, 全員が再び10以上となり, 平均抗体価でもクール完了後の価を上回り, 良好な反応が得られた. 以上, ワクチンにより獲得されたHBs抗体価は急速に低下する傾向がみられるので, 感染予防に十分な抗体を保持するためには, 積極的に抗体価の再測定を行い, 追加接種を行う必要がある.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 69 (2), 164-169, 1995

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (15)*注記

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