温泉浴槽内溺水後の肺炎患者から検出された<I>Legionella pneumophila</I> SG3について

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タイトル別名
  • <I>Legionella pneumophila</I> Serogroup 3 Isolated from a Patient of Pneumonia Developed after Drowning in Bathtub of a Hot Spring Spa
  • 温泉浴槽内溺水後の肺炎患者から検出されたLegionella pneumophila SG3について
  • オンセン ヨクソウナイ デキスイゴ ノ ハイエン カンジャ カラ ケンシュツサ
  • Legionella pneumophila Serogroup 3 Isolated from a Patient of Pneumonia Developed after Drowning in Bathtub of a Hot Spring Spa

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抄録

我々は, 温泉浴槽内で溺水後にadult respiratory distress syndrome (ARDS) を起こし, 一旦軽快後, 再度ARDSを伴って重症肺炎を発症した71歳女性の気管吸引物のBCYEα 寒天培養でLegionella pneumophila serogroup (SG) 3を純培養状に検出し起炎菌と判定した.マイクロプレート定量凝集反応で測定した患者ペア血清の抗体価はL. pneumophila SG3のパイ'ロツト株Bloomington-2 (=ATCC 33155) と患者由来株Y-1の双方に対して1: 20から1: 320に上昇し, seroconversionと認めた.溺水より27日後, 同じ浴槽の温泉水を採取して培養しL. pneumophila SG3を検出したので浴槽水を感染源と判定した.浴槽水中の菌数は3CFU/100mlと少なく, 通常は問題にならない菌数であるが, 溺水による浴槽水吸引が感染を導いたと推定される.従って浴槽水中のLegionella属菌数の低減に努めるのみならず, 無人の浴室での高齢者や飲酒者の単独入浴を避けること, 浴槽内に手すりなどの設備をすることが必要である.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 69 (12), 1356-1364, 1995

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (24)*注記

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参考文献 (17)*注記

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