逆流性食道炎症例にみられた耳鼻咽喉科領域の症状

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タイトル別名
  • Otolaryngological Manifestations of Reflux Esophagitis.

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抄録

内科で逆流性食道炎と診断され食道炎が未治療の患者24例について,酸逆流により生じるとされている耳鼻咽喉科領域の自覚症状および下咽頭喉頭所見の有無について検討を行った。24例中半数の12例が耳鼻科領域の自覚症状を有しており,もっとも多いものは咽喉頭異常感6例(25.0%),ついで咽頭痛が5例(20.8%),慢性の咳嗽が1例(4.2%)であった。下咽頭喉頭所見は披裂間粘膜の腫脹が20例(83.3%),ついで喉頭後部の発赤が16例(66.7%),梨状窩の唾液貯留が6例(25.0%)あった。人間ドックを受診した50例をコントロール群として設定した。コントロール群で下咽頭喉頭所見をみると披裂間粘膜の腫脹は18例(36.0%)に,喉頭後部の発赤は21例(42.0%)に,梨状窩の唾液貯留は8例(16.0%)あった。逆流性食道炎群とコントロール群を比較すると,披裂間粘膜の腫脹と喉頭後部の発赤において有意差が認められた。逆流性食道炎患者は耳鼻咽喉科領域にも自覚症状や所見を有することが示唆された。

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