当科における心臓外傷例の検討

書誌事項

タイトル別名
  • A Review of Cardiac Injury

この論文をさがす

抄録

当科で1985年より9例の心臓外傷を経験した。平均年齢は42歳, 男5例女4例で, 刺創2例, バイク事故2例, 自動車事故4例, 転落が1例であった。損傷部位は, 刺創は右室で, 鈍的外傷は, 三尖弁, 大動脈弁, 僧帽弁, 左室と心嚢内上大静脈, 左心耳, 右房と心嚢内下大静脈, 心嚢内下大静脈であり, 頭部外傷, 胸部下行大動脈破裂, 肋骨骨折, 骨盤骨折など重篤な多発外傷を伴っていた。受傷から当科入院までは, 慢性期の1例を除いた8例で平均4時間59分であった。当科入院から手術までは, 慢性と亜急性期を除いた7例で平均2時間54分で, 受傷から手術までは, 平均7時間48分であった。心臓外傷の診断には, 弁の損傷には心エコーが, 心タンポナーデを伴う心臓破裂はCT, 特に造影ヘリカルCTが, 非常に有用であった。心臓外傷に対する手術は8例に行い, 6例を救命することができた。1例は合併症に対する手術を施行し, 心臓外傷は保存的治療で軽快した。

収録刊行物

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ