進行胃癌に対する診断的腹腔鏡の意義

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  • Significance of Staging Laparoscopy for Advanced Gastric Cancer

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抄録

腹膜播種 (P) を正確に把握し, 高度進行胃癌に対する治療方針の補助診断とすることを目的にstaging laparoscopyを施行している。2000年6月末までに画像診断でT3以上と診断されstaging laparoscopyが行われた進行胃癌26例を対象に臨床的意義について検討を加えた。男性18例, 女性8例, 平均年齢は64.5歳であった。肉眼型は2型10例, 3型8例, 4型8例であり, 術式は胃全摘9例, 幽門側胃切除14例であった。術前のP診断はP0 23例, P3 3例であった。非開腹2例, 非切除1例であり, 切除率は88.5%であった。切除23例のうち非治癒切除は4例あり, 非治癒要因は切腹膜播種3例, 肝転移1例であった。腹腔鏡下洗浄細胞診と開腹下洗浄細胞診の一致率は91.7%であり, 総合的腹膜播種と腹腔内洗浄細胞診の一致率は88.5%であった。以上よりstaging laparoscopyは, 診断能力に限界があり正診率に問題は残るものの, 高度進行胃癌に対する治療方針の補助診断として低侵襲で有効な手段と考えられた。

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