モノフィラメント吸収糸連続縫合による腹壁閉鎖後の創感染時の取り扱いに関する一考察

  • 上池 渉
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 岩瀬 和裕
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 桧垣 淳
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 三方 彰喜
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 田中 靖士
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 吉川 正人
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 岸本 朋乃
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 鳥飼 慶
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 鹿戸 佳代子
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院産婦人科
  • 八木 重尾
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院産婦人科

書誌事項

タイトル別名
  • Is Running Closure of Abdominal wound Using Synthetic Monofilament Absorbable Suture Feasible for Infected wound ?

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抄録

消化器外科手術において合成モノフィラメント吸収糸連続縫合による閉腹法が用いられつつあるが, 縫合創に感染した場合の取り扱いに関する報告はない。腹部縦切開により手術を施行した339例を対象にPDS II糸による腹壁連続縫合後の創感染, 縫合糸膿瘍, 腹壁瘢痕ヘルニアの発生状況を検討した。術後早期の創感染率は29/339 (8.6%) であり, 在院死亡2例と消化管縫合不全を併発した2例を除く25例は排膿から5~48日目にPDS II糸を除去することなく治癒した。晩期縫合糸膿瘍発生率は1.2%であり, 早期創感染を併発したものはなかった。腹壁瘢痕ヘルニア発生率は1.8%であり, 早期創感染の有無とは関係がなかった。PDS II糸連続縫合後に早期創感染が併発した場合には, たとえPDS II糸が露出していたとしても糸を除去することなく, 創治癒が期待できる。

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参考文献 (17)*注記

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