高齢者(75歳以上)心大血管緊急手術の問題点と対策

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  • Surgical Strategy for Emergent Cardiovascular Surgery of Patients Over 75 Years Old

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抄録

高齢者での腹部大動脈領域を除いた心大血管緊急手術の問題点を手術成績, 術後合併症, 入院期間から検討した。1998年12月までの5年間の75歳以上の手術例を手術時期で緊急群 (16例) と待期群 (28例) に分け, 比較検討した。手術死亡率は緊急群6.3%, 待期群17.9%であり, 両群間に有意差はなかった。Major complicationの伴発率にも有意差はなかったが, 緊急群では呼吸不全 (25%), 反回神経麻痺 (12.5%) が高率だった。周術期脳血管障害の併発率は両群間に有意差はなかった。平均術後在院日数は, 真性胸部大動脈瘤において緊急群62.4日, 待期群23日と緊急群が有意に長期であった (P<0.05) 。心疾患では両群間に有意差はなかった。緊急群での術後60日以上の長期入院は3例 (18.8%) 認め, 2例は反回神経麻痺を合併した真性胸部大動脈瘤破裂例であった。高齢者の真性胸部大動脈瘤の治療成績の向上は今後の課題である。

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