同時性孤立性脾転移を認めたS状結腸癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Simultaneous Isolated Splenic Metastasis from Carcinoma of the Sigmoid Colon

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抄録

症例は49歳, 女性。便秘と腹痛を主訴に当院を受診した。大腸内視鏡検査でS状結腸に全周性の腫瘤性病変を認め, 生検で腺癌と診断された。腹部CT検査では脾臓に7×5cmの造影効果の弱い腫瘤を認め, MRI検査と併せて脾転移と診断した。他臓器に転移は認めなかった。以上よりS状結腸癌, 同時性孤立性脾転移と診断し, S状結腸切除術, 脾臓摘出術を施行した。S状結腸の病理組織検査は高分化型腺癌で, 脾腫瘍も同様の組織型であり, 脾転移と診断された。術後経過は良好であったが, 術後9カ月目の腹部CT検査で多発性肝転移を認め, 肝動注化学療法を施行した。肝転移巣の増大は比較的緩徐であったが, 術後1年7カ月目の頸椎MRIで頸椎転移を認め, 椎弓切除術を施行した。その後全身リンパ節転移を認め, また頸椎転移の増大による全身麻痺も出現した。次第に状態は悪化し, 術後2年4カ月目に死亡した。

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参考文献 (12)*注記

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