当科で経験した新生児エリテマトーデス8例の臨床的検討

書誌事項

タイトル別名
  • Neonatal Lupus Erythematosus
  • トウ カ デ ケイケン シタ シンセイジ エリテマトーデス 8レイ ノ リンショウテキ ケントウ

この論文をさがす

抄録

北里大学医学部皮膚科で近年経験した新生児エリテマトーデス(以下NLE)患者2例について報告する.さらに自験2例を含めて,当科で過去20年間に経験したNLE患者8例について,性別,皮疹の推移,肝機能障害や心疾患の有無,各種自己抗体の出現頻度,患児の長期予後,分娩直後における母体の状態などの項目について集計し,検討を行った.男女比は1:7と明らかに女児優位であった.皮疹は生後1カ月前後に明瞭となり,生後6カ月前後で消退する傾向がみられた.心疾患の合併例はなく,肝機能障害は4例にみられたが,いずれの症例も経過観察のみで軽快した.母体はSjögren’s症候群単独6例,RAを合併したSjögren’s症候群1例であった.患児最年長者は現在14歳であるが,明らかな自己免疫疾患を発症した症例はみられていない.しかし,抗核抗体持続陽性例3例,消失した後に3歳頃から再度陽性に転じた症例も2例みられており,NLE患者を診察する際には長期にわたる経過観察が必要であると考えられた.

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (11)*注記

もっと見る

詳細情報

問題の指摘

ページトップへ