小児特発性血小板減少性紫斑病患者を対象とした抗リン脂質抗体の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Antiphospholipid antibodies in children with idiopathic thrombocytopenic purpura
  • 臨床研究 小児特発性血小板減少性紫斑病患者を対象とした抗リン脂質抗体の検討
  • リンショウ ケンキュウ ショウニ トクハツセイ ケッショウバン ゲンショウセイ シハンビョウ カンジャ オ タイショウ ト シタ コウリン シシツ コウタイ ノ ケントウ

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抄録

小児期発症ITP 49例(新規診断ITP 14例,慢性ITP 35例)を対象に,抗ホスファチジルイノシトール抗体(抗イノシトール抗体),抗ホスファチジルセリン抗体(抗セリン抗体),抗カルジオリピン・β2グリコプロテインI複合体抗体(抗β2-GPI抗体)の3種類の抗リン脂質抗体(aPL)を,新規診断群は急性期と回復期の2回,慢性群は任意の1回測定した。新規診断群の急性期と回復期および慢性群におけるそれぞれの陽性率は,抗イノシトール抗体が14.3%, 28.6%, 18.8%, 抗セリン抗体が14.3%, 14.3%, 15.6%, いずれか陽性が21.4%, 28.6%, 25.0%と,高頻度でaPLが検出されたが,抗β2-GPI抗体は全例陰性であった。また,抗イノシトール抗体と抗セリン抗体ともに血小板数,抗GP IIb/IIIa抗体,PAIgGのいずれとも有意な相関関係を認めなかった。以上より,小児ITP症例では急性型,慢性型ともにaPLが高頻度に検出されるものの,感染症タイプのaPLと考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 43 (9), 821-827, 2002

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (20)*注記

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