直腸原発mucosa-associated lymphoid tissue (MALT) typeリンパ腫の1例

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  • A Case of Mucosa-associated Lymphoid Tissue Lymphoma (MALT) Type of the Rectum

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抄録

直腸原発mucosa-associated lymphoid tissue (MALT) typeリンパ腫の稀な1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する。症例は58歳, 女性。定期検診の際に行われた直腸指診で下部直腸に隆起性病変を指摘され, 精査目的で当科を受診した。直腸指診で肛門縁から約2cmの部位に表面平滑な約2cm大の腫瘤を触知した。下部消化管内視鏡検査および超音波内視鏡検査で, 粘膜下層に浸潤する亜有茎性の腫瘍を下部直腸に認めた。生検でMALTリンパ腫が疑われ, 経肛門的腫瘍切除術を行った。切除標本では, 粘膜から粘膜下層にcentrocyte-like cellとmonocytoid cellの腫瘍性の増生を認め, CD79a染色陽性であり, MALTリンパ腫と診断した。術後52カ月の現在, 再発の徴候を認めていない。本邦報告直腸原発MALTリンパ腫は自験例を含み, 2000年までに20例にすぎない。直腸原発MALTリンパ腫の標準的治療法はいまだに確立されておらず, 今後の症例の集積が必要と考えられる。

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参考文献 (25)*注記

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