発症時,抗GAD抗体が陽性であった劇症1型糖尿病と考えられる1例

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  • ショウレイ ホウコク ハッショウジ,コウGAD コウタイ ガ ヨウセイ デ アッタ ゲキショウ 1ガタ トウニョウビョウ ト カンガエラレル 1レイ

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抄録

症例は31歳の男性, 2002年5月12日より口渇感, 全身倦怠感が出現し5月15日に初診した. 初診時血糖値778mgdl, 尿ケトン体強陽性, 動脈血分析ではpH7.249, HCO313.6mmol, 血中総ケトン体9800μmollで糖尿病性ケトアシドーシスと診断した. 入院時のHbA1cは6.1%であった.入院中3回測定した尿中CPRは (3.4, <1.0, <1.0μg/day) でグルカゴン負荷試験でも負荷前・負荷6分後の血清CPRは検出限界の0.2ng/ml以下でβ 細胞の完全破壊が示唆された. 以上より本例は劇症1型糖尿病のスクリーニング基準を満たしたが, 2回測定した抗GAD抗体は, 11.6Uml, 10.2Umlと陽性であった. 本例は劇症1型糖尿病と考えられるが, 抗GAD抗体が陽性であったことより自己免疫の関与が示唆される劇症1型糖尿病であり, 興味ある症例である.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 46 (4), 333-335, 2003

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (8)*注記

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