脳梗塞急性期のえん下障害と入院時えん下評価の意義

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タイトル別名
  • Dysphagia in Acute Ischemic Stroke and the Validity of Evaluating Swallowing Function on Admission
  • ノウコウソク キュウセイキ ノ エンゲ ショウガイ ト ニュウインジ エンゲ ヒョウカ ノ イギ

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抄録

[背景と目的] 脳梗塞急性期における不適切な栄養手段選択により, 呼吸器感染症の発生を助長する可能性がある. 当センターでは2001年6月から入院時の嚥下評価と早期栄養手段決定のシステムを徹底させた.脳梗塞急性期の嚥下障害の実態を明らかにし, 入院時嚥下評価と早期栄養手段決定が呼吸器感染症予防にもたらす効果について検討した.<BR>[背景と目的] 脳梗塞急性期における不適切な栄養手段選択により, 呼吸器感染症の発生を助長する可能性がある. 当センターでは2001年6月から入院時の嚥下評価と早期栄養手段決定のシステムを徹底させた. 脳梗塞急性期の嚥下障害の実態を明らかにし, 入院時嚥下評価と早期栄養手段決定が呼吸器感染症予防にもたらす効果について検討した.<BR>[結果] 年齢, 入院時の重症度と嚥下障害重症度との間に相関はないが, 65歳以上の老齢者では非老齢者に比して有意に嚥下障害が多い. 初期栄養手段は末梢静脈栄養のみの患者がシステム導入前の14.1%から6.3%へと減少しており, 早期に栄養手段の選択がなされていた. 呼吸器感染症は導入前の9.8%に対して5.6%と低い傾向が見られた (p=0.17).<BR>[結論] 脳梗塞急性期の重症度は嚥下障害の程度に必ずしも相関しないが, 65歳以上では嚥下障害の合併が多い. 早期の嚥下評価とこれに基づく栄養手段決定は呼吸器感染症を予防する可能性がある.

収録刊行物

  • 環境感染

    環境感染 18 (1), 1-5, 2003

    日本環境感染学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (15)*注記

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