外来受診および入院時にMRSAを検出した小児の検討

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タイトル別名
  • Clinical Study of Children Isolated MRSA from Bacterial Examination on Admission and Outpatient Visit between 1999 and 2000
  • ガイライ ジュシン オヨビ ニュウインジ ニ MRSA オ ケンシュツ シタ ショウニ ノ ケントウ

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抄録

1999年1月から2000年12月までの2年間に, 旭川厚生病院の外来を受診あるいは入院時にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) を検出した15歳以下の小児を検討した. 対象となった小児は64名, その中でMRSAが感染症の原因であったのは20名で, 中耳炎10名, 伝染性膿痂疹8名, ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群1名, 臍炎1名であった. 他の44名は保菌者と考えられた. MRSAが分離された検体は79検体であり, 咽頭・上咽頭36検体, 便12検体, 皮膚10検体, 耳漏10検体と気道と皮膚から検出される例が多かった. 年齢は生後1ヵ月から12歳の範囲に分布していたが, 1歳未満が27名 (42.2%) で最も多く, その中でも生後3ヵ月未満が15名と極めて多かった. 危険因子として6ヵ月以内に医療施設に通院または入院していた児は46名 (71.9%), 家族内にMRSA保菌者がいた児は2名であった. 危険因子を有せずにMRSAを保菌していたのは16名 (25.0%) であった. ampicillin, oxacillin, flomoxef, cefozopran, imipenem, clarithromycin, gentamicin, minocycline, levofloxacin, arbekacin, vancomycinの感受性試験ではarbekacinとvancomycinには全株感受性を示したが, 他の抗菌薬について10の感受性パターンが認められた. このことから, 単一の菌が播種される病院内感染と異なり, 多種のMRSAが市中に拡散されていると考えられた.

収録刊行物

  • 環境感染

    環境感染 16 (4), 263-266, 2001

    日本環境感染学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (7)*注記

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