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抄録
足底を直接圧抵するFoot-press培養法(FP法)を用いて,銭湯およびプールを利用後の非罹患者の足底からの皮膚糸状菌の分離を試みた.対象施設は銭湯5施設,屋外プール3施設,室内プール1施設で,方法は各施設利用前にFP法で被験者の足底から皮膚糸状菌が分離されないことを確認後,通常の方法で施設を利用し,再度FP法を行った.その結果、銭湯利用後には5施設すべてから平均18.6コロニーの皮膚糸状菌を分離した.屋外プールでは汚染菌の発育が多く,皮膚糸状菌は2施設から分離され,集落数は2と4コロニーであった.室内プールでは38コロニーの皮膚糸状菌を分離した.菌種をみるとT. rubrumは6施設で陽性で,平均4.8コロニー,T. mentagrophytesは7施設で陽性で,平均10.3コロニー,およびM. canisが1施設から1コロニー分離された.以上,環境中の皮膚糸状菌が実際に足底に付着すること,およびその頻度が高いことを証明した.また,被験者は,特に予防的なことを行わなかったが,足白癬を発症しなかった.
収録刊行物
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- 日本皮膚科学会雑誌
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日本皮膚科学会雑誌 106 (4), 409-, 1996
公益社団法人 日本皮膚科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680717093760
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- NII論文ID
- 130004680953
- 10011515217
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- NII書誌ID
- AN00196602
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- ISSN
- 13468146
- 0021499X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可