仙台湾におけるクサウオの初期生活史

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  • Early life History of Larvae of the Snailfish Liparis tanakai (Gilbert et Burke) in Sendai Bay, Northern Japan

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抄録

仙台湾におけるクサウオの初期生活史について、発育段階、成長、食性を調べた。ほとんどの前期仔魚(Yolk-sac larva、平均全長5.22mm)は、耳石(扁平石)の核の外側に日周輪がみられなかったが、消化管内容物は観察された。全長に対する耳石半径の関係はアロメトリックであったが、日周輪に対する全長の関係は直線回帰で表された。その回帰式から推定された日周輪形成後25日間の平均成長速度は0.24mm/dであった。各個体の日周輪数と全長の関係から求めた成長速度の平均値は0.23mm/dであった。Flexion larvaeは全長約9mm、日周輪が15本であった。Pre-flexion larvaeの体調は5.8mmから9.1mmの範囲であり、徐々に日周輪間隔が増加する傾向があった。口の平均サイズ(口幅の50%)は、前期仔魚が0.51mm、Pre-flexion larvaeが0.74mm、Flexion larvaeが1.25mmと、成長に伴い増加した。食物サイズもこれに伴って増加し、カイアシ類については、カイアシ類の体長とクサウオの口サイズの間に強い相関が認められた(r=0.84)。前期仔魚は二枚貝ベリジャー幼生を、Flexion larvaeはカイアシ類を主に摂食していたが、いずれの発育段階の稚仔魚においても、少数の植物プランクトンが観察された。

収録刊行物

  • 水産海洋研究

    水産海洋研究 66 (4), 207-215, 2002-11

    東京 : 水産海洋学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (46)*注記

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