血尿で発症した後天性第V因子インヒビターによる循環抗凝血素症

書誌事項

タイトル別名
  • Acquired inhibitor against coagulation factor V with severe hematuria
  • 症例 血尿で発症した後天性第5因子インヒビターによる循環抗凝血素症
  • ショウレイ ケツニョウ デ ハッショウ シタ コウテンセイ ダイ5 インシ インヒビター ニ ヨル ジュンカン コウギョウケツソショウ

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抄録

症例は42歳男性。2002年2月感冒症状に続き血尿を認め近医受診。凝固機能異常を指摘され2月4日当科紹介入院。身体所見では前日の採血部からの血液滲出を認めた。尿は鮮紅色,肉眼的血尿。溶血所見認めず。血小板数29.2×104l, PT 99.7秒,APTT 200秒以上で,共通系凝固異常と考え第V因子活性を測定したところ2%, 正常プール血漿との混合試験の結果第V因子インヒビターの存在が示唆された。測定値は3 Bethesda単位/ml, 本体はIgAであった。治療は新鮮凍結血漿は無効,プレドニンが有効で投与開始2日目に血尿は消失した。しかしFVIは消失せず凝固機能異常は遷延している。本例は基礎疾患なく,感冒に続いて発症したFVI症例である。FVIは比較的短期間に消失するとされているが本例では発症から10カ月しても依然存在している。そのため第V因子活性は低値であるが出血傾向は経過中に認められず貴重な症例と考え報告した。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 44 (9), 933-939, 2003

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (20)*注記

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