空腸起始部の狭窄と興味ある形態の十二指腸憩室を認めた左腎臓摘出術後の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Duodenal Diverticula with Interesting Shape and a Stenosis of the Start Portion of Jejunum after Left Nephrectomy
  • A Case Report

この論文をさがす

抄録

症例は79歳, 女性。1984年左腎臓摘出の既往歴あり。2002年7月嘔気, 嘔吐にて入院となった。腹部所見異常なし。Hb9.4g/dl, 肝, 腎機能, アミラーゼ, 腫瘍マーカー正常であった。CTにて十二指腸3~4部の拡張, 壁肥厚あり。低緊張十二指腸造影にて十二指腸3~4部内側に5cm程の憩室を3個認め, 空腸起始部に狭窄を認めた。インフォームドコンセントをえて手術を施行した。空腸起始部が腎臓摘出後の後腹膜に癒着し狭窄を認めた。その口側に最遠位の憩室を認めた。同憩室と狭窄を切除, 十二指腸空腸側側吻合術を施行した。肉眼的に憩室壁は薄く, 狭窄部壁が肥厚し, 組織学的に憩室は固有筋層が欠損し, 狭窄部は粘膜下の膠原線維が増生し, 炎症は軽度であった。順調に退院した。十二指腸憩室は発生頻度が比較的高いが外科的治療に至るものは稀である。今回, 空腸起始部の狭窄と興味ある形態の十二指腸憩室の併存を認めた左腎臓摘出後の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。

収録刊行物

参考文献 (8)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ