我が国におけるシバ及びシバ型草地研究の成果と展望

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  • General Remarks on the Research Works of Japanese Lawn Grass (Zoysia japonica STEUD.) and Zoysia Type Grasslands in Japan
  • ワガクニ ニ オケル シバ オヨビ シバガタ ソウチ ケンキュウ ノ セイカ

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抄録

最近,シバやシバ型草地が保養機能をもつ緑として,また肉用牛の低コスト生産基地として見直されている。そこで,我が国におけるシバ及びシバ型草地に関する主要な研究成果を整理し,畜産的利用の面から若干の考察を試みた。考察にあたって既往の研究成果を,(1)シバ属植物の分類,(2)分布と立地特性,(3)生理・生態,(4)種子の発芽,(5)変異と新品種育成,(6)シバ草地の造成法,(7)遷移系列とシバ型草地,(8)生産力と牧養力,(9)傾斜面での生育,(10)今後の展望に分けて整理した。その結果,分布については,シバ利用の見直しから人為による拡大が予想されること。生理・生態については花芽分化に関する研究など基礎的研究が重要であること。発芽については現地における種子からの造成と関連させた研究展開が望まれること。新品種育成については系統変異の研究事例が多いので,品種育成にあたってはこのような研究成果の活用が重要であること。植生遷移とシバ型草地の維持については安定的な維持のための抑圧の程度の解明が重要であること。牧養力については調査法の確立とともに牧草地との輪換利用による向上が望まれること。保全機能と関連して傾斜面での根やほふく茎の伸長と機能解明が必要であることなどが指摘できた。

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被引用文献 (15)*注記

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