大腸粘液癌症例の臨床病理学的検討

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  • Clinicopathological Study of the Colorectal Mucinous Carcinoma

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抄録

大腸粘液癌16例について, 高・中分化型腺癌 (以下, 分化型腺癌) と比較した。粘液癌はすべてmp以上の深達度のため, mp以上の例でも検討した。粘液癌はリンパ管侵襲, 静脈侵襲, リンパ節転移陽性率, 腹膜播種率が高く, mp以上でも静脈侵襲, 腹膜播種率が高かった。治癒切除率は分化型腺癌より低く, 5生率も不良だったが, 治癒切除例では差はなく治癒切除により予後の改善が得られるものと考えられた。また粘液癌を組織学的特徴からpapillotubular type (以下, PT型), mucocellular type (以下, MC型) に亜分類するとMC型はPT型に比較しリンパ節転移陽性率, 腹膜播種陽性率が高かった。一方肝転移例はいずれもPT型であった。治癒切除率, 生存率はMC型はPT型に比べ低率だった。粘液癌とくにMC型は局所浸潤性が高く, 広範なリンパ節郭清により治癒切除をめざす必要があると思われた。

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